AIで店舗の多言語案内文を作る前に|原文・訳文・人の確認表


店舗の日本語案内と多言語の訳文案を照合する事業者と担当者のイラスト
質問者さん

質問者さん

店舗の案内を外国語でも載せたいのですが、生成AIの翻訳をそのまま公開してよいでしょうか?
キタデジさん

キタデジさん

AIの訳文は下書きとして使い、まず日本語の事実を確定します。営業時間や予約条件などを、公開前に読める人が原文と照らし合わせましょう。
質問者さん

質問者さん

少人数の店でも始められますか? どこまで確認すれば公開できますか?
キタデジさん

キタデジさん

案内を短く絞り、原文・訳文・確認者を一つの表で管理すると着手しやすくなります。確認する項目と、更新時の手順を順番に見ていきましょう。

結論:店舗の多言語案内は、先に正しい日本語の案内を決め、生成AIには外国語の下書きを作らせ、公開前に人が意味と事実を照合します。対象言語を読める確認者を確保できない場合は、重要な利用条件を未確認の訳文で公開せず、確認できる範囲の短い案内から始めてください。

  • 営業時間・休業日・予約条件・アクセスなど、来店判断に関わる事実を原文で確定する。
  • AIには公開情報だけを入力し、不足を推測で補わせない。
  • 訳文の確認者、確認日、原文の更新担当を決めてから掲載する。

対象読者:店舗案内を外国語でも掲載したい小規模事業者・Web担当者。前提:本記事はAIによる翻訳・編集の進め方であり、特定のAIサービスの精度や成果を保証しません。法令・契約・安全に関わる案内は、その分野と対象言語を理解する専門家に確認してください。情報確認日:2026年9月30日。

まず日本語原文の事実を確定する

翻訳より先に、来店前に必要な情報を日本語で確認します。原文が曖昧だと、自然な外国語になっても案内の意味は正しくなりません。最初は「いつ行けるか」「予約が要るか」「どこへ行くか」を優先し、商品や設備は実際に提供しているものだけを書きます。

以下は架空の店舗Aの作業例です。実在する店舗の営業時間や距離を示すものではありません。自店で使う際は、責任者が最新の公式案内と照合して原文を作ってください。

項目 日本語原文の仮の例 原文を確かめる人・資料
営業日 土曜は営業、日曜は休業 店舗責任者・現在の営業カレンダー
予約 来店前に電話予約が必要 予約受付担当・現行の運用
アクセス 駅東口から徒歩5分 現地での経路・地図・表記

古い営業時間の転載、季節限定の取扱商品の常設扱い、実際とは異なる入口の案内に注意します。店舗アクセスページで整理する情報も、原文を作るときの参考になります。

店舗案内の日本語原文、AIの訳文下書き、人による確認を並べたイラスト
原文を確定し、AIの下書きと人の確認を分けて進めます。

AIに依頼するのは訳文の下書きまで

AIには確定した原文、対象読者、文体、変更してはいけない条件を渡します。情報が足りない箇所は推測させず「要確認」と示すよう依頼します。訳文が自然に見えても、日付、曜日、予約の要否、否定表現、固有名詞が正確とは限りません。個人情報保護委員会は、生成AIへの個人データ入力や出力の不正確さに注意を促しています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」2023年6月2日)。

公開情報だけを使う入力例

次は架空の店舗Aを想定した入力例です。外国語の完成訳ではなく、下書きを得るための依頼文です。

次の日本語の店舗案内を、初めて来店する人向けの分かりやすい英語に翻訳してください。
これは公開前の下書きです。原文にない設備・サービス・料金・営業日を追加しないでください。
「日曜は休業」「電話予約が必要」「駅東口から徒歩5分」は意味を変えないでください。
地名や店名など確信が持てない固有名詞、曖昧な原文は訳文内で推測せず、別欄に「確認要」と列挙してください。
原文:土曜は営業、日曜は休業。来店前に電話予約が必要。駅東口から徒歩5分。

実際に使うときは自店で確定した情報に差し替え、顧客名、予約内容、従業員の個人情報、未公開の契約情報を入力しないでください。利用するAIサービスの規約、入力データの取扱い、組織内のルールも確認します(個人情報保護委員会の注意喚起)。

日本語原文の確認、AI訳文の作成、人の照合、公開と更新の四段階を示す図
公開前に必ず人の照合を挟みます。図の手順は以下の表にも記載しています。

原文・訳文・人の確認表で、意味と事実を照合する

確認表には、日本語の確定原文、訳文、重要な意味、確認者、確認日、修正内容を並べます。対象言語を理解できる人が読者の立場で確認し、原文にない約束や省略がないかを見ます。社内に確認できる人がいない場合、重要な案内は対象言語に対応できる外部の翻訳者などに確認してもらうか、掲載範囲を縮小します。

確認項目 原文と訳文で照らす点 記録欄
営業と休業 曜日、時刻、臨時休業、例外条件が一致しているか 確認者・確認日・原文の版
予約と利用条件 「必須」と「推奨」、予約方法、対象者の違いがないか 不一致と修正内容
アクセス 出口、方向、所要時間の根拠、建物名を誤っていないか 現地確認・地図確認の結果
店舗名・商品名 正式名称、表記、提供していないサービスの追加がないか 承認した表記
読みやすさ 対象読者に分かる表現か。直訳だけで意味が伝わるか 表現を選んだ理由

W3Cの国際化ガイド「Monolingual vs. multilingual Web sites」は、利用者向けの情報では翻訳に加え、読者の状況への適合を検討する必要があると説明しています。たとえば地元では通じる略称や交通案内が、初めて来る人にも伝わるかを確認します。ただし、読者に合わせることと事実を変えることは別です。

Web掲載後も、原文変更と訳文変更を対にする

公開前にスマートフォンで案内を読み、言語の切替、地図、電話・予約の導線を確認します。外国語のWebページを設ける場合は、そのページの言語を適切に示す実装も必要です。W3CはHTMLページの主な言語をhtml要素のlang属性で示し、途中で言語が変わる部分にも言語属性を使うよう案内しています(W3C「Declaring language in HTML」)。具体的な実装はサイトの構成に合わせて確認し、翻訳文を載せるだけで対応が完了したと扱わないでください。

営業時間、定休日、予約条件、駅出口などの原文を変えたら、掲載済みの各言語版にも変更が必要か確認します。原文と訳文の更新日、確認者、公開URLを同じ台帳に記録すれば、どの言語が古いか見つけやすくなります。AIを使う社内手順書の作り方も、担当と承認の分担に役立ちます。

最初の一歩は、短い原文と確認担当を決めること

まず日本語の案内から、営業日・予約・アクセスなど来店判断に必要な短い項目を選びます。責任者が事実を確定し、AI訳文は対象言語を理解できる人が照合し、公開後の変更担当も決めます。確認できない重要条件は公開を急がず、確認可能な情報から掲載範囲を決めましょう。

掲載先のページ構成や更新導線を整理したい場合は、現在の案内ページと変更予定の項目をまとめた上でキタデジへのお問い合わせをご利用ください。翻訳の正確性確認や法的判断を代行できると約束するものではありません。

参考資料:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)、W3C「Monolingual vs. multilingual Web sites」、W3C「Declaring language in HTML」(W3C両ページの更新日表示は本記事作成時に確認できなかったため、情報確認日を2026年9月30日と記録)。

店舗の多言語案内についてよくある質問

AIの訳文をそのまま店舗サイトに掲載できますか?

そのままの掲載は避け、確定した日本語原文と訳文を人が照合してください。特に営業日、予約の要否、場所、利用条件は、誤ると来店判断を変えてしまいます。対象言語を確認できる人がいない場合、重要な案内は確認体制を整えてから掲載します。

最初に翻訳する案内は何から選べばよいですか?

来店に必要な営業日、休業日、予約方法、アクセスから選ぶと整理しやすくなります。架空の店舗の情報を流用せず、自店の最新の公式案内を原文として確定してください。提供していないサービスや変動する条件は、確認なしで加えません。

社内に対象言語を読める人がいない場合はどうしますか?

重要な条件の訳文は、対象言語に対応できる翻訳者などに確認を依頼するか、掲載範囲を縮小します。AIに再翻訳させるだけでは意味の正しさを独立に確認できません。誰が、何を、いつ承認したかも記録します。

顧客の予約内容をAIに入力して翻訳してもよいですか?

公開用の店舗案内を作る目的なら、顧客の個人情報を入力する必要はありません。個人データを含む入力には利用目的やサービス側の取扱いの確認が必要です。個人情報保護委員会の注意喚起と利用規約を確認し、公開済みの店舗情報だけで下書きを作ります。

営業時間が変わった後、訳文だけ古いままでもよいですか?

よくありません。日本語の案内を変えた時点で、掲載中の各言語版も変更が必要か確認します。原文と訳文の更新日、確認者、公開URLを一緒に記録すると更新漏れを追いやすくなります。

外国語の文章を載せれば、多言語ページの準備は完了ですか?

文章だけでは完了とはいえません。言語の切替や案内の読みやすさ、スマートフォンでの導線に加え、外国語のWebページの言語指定も確認します。HTMLの言語指定についてはW3Cの説明が参考になります。

Categories

Image name
株式会社goap 代表取締役 相牟田 昂大

福岡県出身、大学生時代からWEBデザインのフリーランスとして活動。 卒業後、WEBデザイン・コンサルティング会社で経験を積み、2013年に独立し「goap」を設立。 WEBデザインやマーケティング、コンサルティング業務を展開し、WEBサイトがホームページ大賞で最優秀賞を受賞。 2023年にAI・メタバース事業を追加した株式会社goapを設立。 現在まで<strong>300社以上</strong>のWEBサイトのデザイン・ディレクション・システム構築に携わらせていただきました。 Web制作・マーケティング業界のプロがお客様の悩みに寄り添って丁寧にヒアリングしますので、初心者の方でも<strong>安心してご相談ください!</strong>