質問者さん
キタデジさん
質問者さん
キタデジさん
AIで社内手順書を作るときは、確定した作業を整理する役割と、社内ルールを決める役割を分けます。作業順・担当・完了条件・例外を同じ欄で整理し、根拠のメモに戻って確認すれば、内容が正しいかを点検しやすくなります。担当や権限が未確定の手順は、正式版へ進める前に人が決めてください。
- AIへの入力は、使用が認められた作業メモに絞り、個人情報・機密情報の扱いを先に確認する。
- 手順と確認待ちを分け、AIが作った案を原文・実際の作業と照合する。
- 確認者が承認した版を共有し、変更時に見直せる記録を残す。
対象読者:少人数でWeb更新や素材整理を担当し、作業を他の担当者へ引き継ぎたい事業者。前提:文章を整理できる生成AIを、社内で認められた用途・環境で利用する場合を想定します。特定サービスの料金・機能・保存設定を比較する記事ではありません。情報確認日:2026年9月29日。
この記事の作業例・入力例・整理案は、説明のために作成した架空の例です。実際の顧客事例や、特定AIサービスで得た出力の検証結果ではありません。
最初に、手順書にする作業と入力できる情報を決める
最初の題材には、目的と作業範囲が明確で、担当者が内容を確かめられる一つの作業を選びます。たとえば「ホームページ用の写真素材を受け取って整理する」であれば、素材を受け取るところから整理状況の確認までを対象にし、ページへの公開は別の手順として扱えます。
作業の範囲を広げすぎると、素材整理、原稿作成、承認、公開のどこまで説明するのかが曖昧になります。AIに入力する前に、「誰が使う手順書か」「何を終わらせるためか」「どこからどこまでか」を一行ずつ書きましょう。
名前を削るだけで、入力できる資料になるとは限らない
顧客名を消しても、メール本文、未公開の企画、共有先URLなどから人や案件を特定できることがあります。パスワード、認証情報、実際の顧客資料、社外秘の手順は、練習用の入力例へ含めないでください。利用サービスの規約・プライバシーポリシー・契約条件と、社内の情報管理ルールを確認します。
個人情報保護委員会の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)は、個人情報を入力する場合の利用目的や、サービス提供者による取扱いの確認を求めています。この記事では、個人情報を含まない架空のメモから試す方法を提案します。
他社のマニュアルは、利用できる範囲を確認する
外部の有料マニュアルや他社の資料を、そのまま入力素材として使わないでください。資料の利用条件とAIサービスの規約を確認し、許される範囲が分からなければ、自社で作成した作業メモから始めます。
文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日、業務利用者向けの項目)は、利用規約の確認や生成物を利用する際の確認を説明しています。社内用の文書であっても、入力資料と生成物の扱いを区別して考えることが必要です。
手順書に必要な欄を、先にそろえる
手順書は、作業の順番だけでなく、始める条件・終わったと判断する条件・例外時の対応をセットで整理します。以下は編集上の提案としてまとめた確認欄です。社内の文書形式がある場合は、その形式に合わせて使ってください。
| 欄 | 書く内容 | 抜けている場合の確認 |
|---|---|---|
| 目的・対象範囲 | 誰が、何を終えるために使うか。対象外の作業も示す。 | 公開まで含むのか、素材整理までなのか。 |
| 開始前の条件 | 必要な資料、確認済みの許可、使用が認められた場所。 | 条件がそろわないまま作業を始めてよいか。 |
| 作業順と担当 | 各工程で誰が何を行い、誰へ渡すか。 | 担当が不明な箇所は誰が決めるか。 |
| 完了条件 | 完成物と、確認する項目。確認者が判断できる形にする。 | 「確認する」だけで、対象や確認結果が曖昧ではないか。 |
| 例外・確認待ち | 通常と違う場合に止める箇所、相談先、保留する情報。 | 通常手順へ推測で戻していないか。 |
| 版・確認記録 | 原本、整理案、承認版を識別し、確認者と確認日を残す。 | 読んでいる文書が現在の承認版か。 |
「確認する」を見つけたら、何と何を比べ、どの状態なら次へ進めるかを追記します。たとえば「写真を確認する」ではなく、「受領一覧と保存したファイルを照合し、対応が取れていることを確認する」と書けば、確認対象が明確になります。ただし、原文にない確認条件を正式なルールとして追加する場合は、担当者の承認が必要です。
AIに渡す作業メモと入力例
作業メモには行番号を付け、AIの整理案にも根拠の行を示すよう指示すると、原文へ戻って点検しやすくなります。以下は、架空の「ホームページ掲載用の写真素材の受領・整理」を題材にした入力例です。実際の顧客情報や共有フォルダーのURLは使っていません。
架空の作業メモ
A1 目的は、ホームページのお知らせ記事で使う写真素材の受領と整理。ページの公開作業は含まない。
A2 受領担当が、提供者へ掲載用途を説明し、掲載許可の確認を依頼する。
A3 許可が確認できた素材だけを受け取り、社内で指定した共有フォルダー「受領素材」へ保存する。
A4 ファイル名は「受領日_連番」にそろえる。元のファイルとの対応を受領一覧に残す。
A5 受領担当が、本文用・アイキャッチ用の候補を受領一覧に記録する。
A6 確認担当が、受領一覧と保存したファイルの対応・数を照合する。
A7 掲載許可が不明な素材は使用候補へ進めず、確認待ち一覧へ登録する。
A8 完了条件は、ファイルと受領一覧が対応し、各素材の許可確認状況が記録され、確認担当の照合が済んでいること。
A9 未確定なのは、許可確認記録の保存先、確認担当が不在の場合の代行者、確認待ち事項の回答期限。
作業メモと一緒に渡す指示文
次の作業メモを、社内で確認する手順書のたたき台に整理してください。
対象読者は、この作業を初めて担当する社員です。
出力する欄:
1. 目的と対象範囲
2. 開始前の条件
3. 作業順、担当、作業内容、確認点、根拠のメモ行
4. 完了条件
5. 例外と、通常手順へ進めず確認する事項
6. 担当者が決める必要のある未確定事項
守る条件:
・作業メモに書かれた確定事項だけを手順へ入れる。
・担当者、権限、期限、保存先、承認方法を推測で追加しない。
・不明な情報は「確認待ち」と明記し、通常手順と分ける。
・作業順に矛盾がある場合は、勝手に並べ替えて解決せず、矛盾の内容を示す。
・各手順と完了条件に、根拠となるメモの行番号を付ける。
・原文を超える改善案がある場合は、採用済みの手順に混ぜず、別の「提案」欄へ分ける。
【作業メモ】
ここに、使用が認められた作業メモを入力する。
指示文を使っても、AIが条件を守るとは限りません。出力形式だけを見て完成と判断せず、特に原文にない担当・期限・操作が追加されていないかを確認してください。
整理案は、原文と実際の作業に戻って確認する
AIの整理案は、読みやすさと正確さを別々に確認します。文章が自然でも、掲載許可を確認する順番が変わったり、未確定の代行者が決まったように書かれたりすれば、作業の意味が変わります。
次の表は、架空のメモから作成した編集上の整理例であり、実際のAI出力ではありません。実際にAIを利用するときは、得られた案を同じように照合してください。
| 原文の根拠 | 整理案に残す内容の例 | 人が点検すること |
|---|---|---|
| A2・A3 | 受領担当が掲載用途と許可を確認し、確認できた素材を指定フォルダーへ保存する。 | 許可確認より先に使用候補へ進める手順になっていないか。 |
| A4・A5 | 名前を受領日と連番にそろえ、元ファイルとの対応と用途候補を受領一覧へ記録する。 | 元ファイルとの対応が失われていないか。候補を採用決定として扱っていないか。 |
| A6・A8 | 確認担当が一覧とファイルを照合し、対応・許可確認状況・照合完了を確認する。 | 数だけ合えば完了という条件に変わっていないか。 |
| A7 | 許可不明の素材は、使用候補へ進めず確認待ち一覧へ登録する。 | 保留を通常手順と分けているか。誰が回答するかを推測で追加していないか。 |
| A9 | 保存先・不在時の代行者・回答期限は未確定事項として担当者へ確認する。 | AIが選んだ保存先や期限が、確定事項として混ざっていないか。 |
確認の流れは、確定メモを用意する→AIで整理案を作る→原文と実際の作業を照合する→担当者が承認するの順です。未確定事項は、メモを整えた担当者が関係者へ確認し、決まった内容を追記してから承認します。この段階を飛ばして文章だけ共有すると、書き足された推測が社内ルールとして広まるおそれがあります。
別の担当者が、順番を追って読んでみる
正式版にする前に、作業を引き継ぐ人が、必要な資料と各工程の確認点を指し示せるかを確かめます。実作業を伴わない読み合わせでも、「指定フォルダーはどこか」「許可確認の記録は何を見ればよいか」などの疑問は見つけられます。
本番の公開・削除・権限変更・送信が関係する手順は、読み合わせのつもりで実行しないでください。作業責任者が認めた確認方法で試し、操作が必要な範囲と条件を先に決めます。業務上の判断や例外対応まで自動で任せる用途は、この記事の簡単な入力例の範囲を超えます。
正式版として共有するときに残す情報
共有する手順書には、現在使う版を識別できる情報と、確認済みであることが分かる記録を残します。原本、AIの整理案、承認版を区別すると、後から疑問が出た場合も根拠を追えます。
- 対象作業と版:文書名、版を識別する番号や日付、対象範囲。
- 確認記録:確認者、確認日、承認した範囲、未解決事項の有無。
- 参照資料:作業メモや関連資料の保管場所。閲覧権限もそろえる。
- 見直すきっかけ:担当・保存先・承認方法・使用する仕組みが変わったとき。
文化庁の前掲ガイダンスの業務利用者向け項目(3-1-7)は、生成に用いたプロンプト等を後から確認できる状態にする取組みを説明しています。手順書の管理でも、入力メモと整理案の関係を記録する方法が役立ちます。ただし、記録の保存期間や承認方法は、資料から一律に決まるものではなく、自社の文書管理ルールに合わせてください。
まず一つの作業メモを、確認できる案にする
最初は、担当者が内容を説明できる一つの作業を選び、目的・開始条件・完了条件・例外を書き出しましょう。AIを使う前後で、文章を作る時間だけでなく、原文照合と修正にかかった手間も確認すると、その作業に使い続けるかを判断できます。AIを使わず、確認表で直接整理した方が進めやすい作業もあります。
会議で決まったことから作業メモを作る場合は、AIで会議メモを整理する入力例と確認方法も参考になります。Web更新の内容を外部担当者へ渡すときは、ホームページ更新の依頼方法と修正指示テンプレートで、社内手順書と依頼文を使い分けてください。
Web更新の担当範囲や、確認する順番を整理したい場合は、対象ページと現在困っている点を添えてキタデジのホームページ制作・運用に関するお問い合わせ窓口へご相談ください。初回の相談文へログイン情報や顧客の個人情報を記載する必要はありません。
参考資料:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)、文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)。2026年9月29日に掲載資料の本文を確認しました。
AIによる社内手順書の作成についてよくある質問
短い作業メモでもAIを使う意味はありますか?
短いメモでも、担当や完了条件を同じ形式に整理する用途には使えます。ただし、入力準備・照合・修正の手間が増える場合は、担当者が確認表へ直接記入する方法もあります。まず一つの作業で、確認まで含めた使いやすさを比べてください。
既存の社内手順書を全文入力してもよいですか?
全文入力する前に、資料の情報区分と利用サービスの取扱いを確認してください。個人情報・機密情報・認証情報が含まれる場合、名前を消しただけで入力してよいとは判断できません。個人情報の扱いは、個人情報保護委員会の注意喚起と、利用目的・社内ルール・契約条件を照合します。
AIが足りない手順を補ったら、そのまま採用できますか?
原文にない手順は、提案として分離し、担当者が確認してから採用します。特に権限、承認方法、期限、例外対応は、AIが書いたことだけを根拠に確定できません。必要性と実行可能な条件を人が決め、確定事項として追記した後に手順書を承認します。
AIの整理案は、どの時点で正式な手順書にできますか?
実務を知る確認者が原文・実際の作業と照合し、共有する内容を承認した時点で正式版とします。作業順だけでなく、開始条件、担当、完了条件、例外対応が確認できていることが必要です。承認した版を識別できるようにし、未確定事項が残る場合は正式な実行手順へ混ぜないでください。
手順書を作った後も、原文やAIの入力例を残す必要がありますか?
見直しや根拠確認に使えるよう、承認版と対応する原文・整理案・確認記録を残す運用をおすすめします。文化庁のガイダンス(業務利用者向け項目3-1-7)も、生成過程を確認できる状態にする取組みを説明しています。保存する範囲・期間・閲覧権限は、自社の文書管理ルールと情報区分に合わせて決めてください。

福岡県出身、大学生時代からWEBデザインのフリーランスとして活動。
卒業後、WEBデザイン・コンサルティング会社で経験を積み、2013年に独立し「goap」を設立。
WEBデザインやマーケティング、コンサルティング業務を展開し、WEBサイトがホームページ大賞で最優秀賞を受賞。
2023年にAI・メタバース事業を追加した株式会社goapを設立。
現在まで300社以上のWEBサイトのデザイン・ディレクション・システム構築に携わらせていただきました。
Web制作・マーケティング業界のプロがお客様の悩みに寄り添って丁寧にヒアリングしますので、初心者の方でも安心してご相談ください!


